ニュース
- 1/26(火)
基調的なインフレ率を捕捉するための指標
- 1/26(火)
実質輸出入の動向
- 1/14(木)
地域経済報告(さくらレポート、2021年1月)
日本銀行は、物価の安定と金融システムの安定を目的とする、日本の中央銀行です。
ホーム > 調査・研究 > ワーキングペーパー・日銀レビュー・日銀リサーチラボ > 日本銀行ワーキングペーパーシリーズ 2005年 > ファイナンシャル・アクセラレーター効果が日本経済に及ぼした影響:実証分析(要旨)
2005年 6月
渕 仁志*2
武藤一郎*3
鵜飼博史*4
日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、執筆者までお寄せ下さい。
商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行情報サービス局までご相談ください。転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。
以下には日本語の(要旨)を掲載しています。
なお、全文は英語のみの公表です。ファイルは、こちら(wp05e08.pdf 411KB) から入手できます。
本稿では、主として資産価格の変動によって引き起こされるファイナンシャル・アクセラレーター効果が、1980年代以降の日本経済に及ぼしてきた影響を分析・評価する。具体的には、Bernanke, Gertler and Gilchrist [1999]のモデルを修正した日本版ファイナンシャル・アクセラレーター・モデルを推計し、企業の純資産/総資産比率の推移に影響を及ぼしてきた外生的ショックを識別する。分析の結果からは、企業のバランスシート・チャネルに関する推計パラメータは統計的に有意であることが確認された。また、識別された純資産/総資産比率への外生的ショック──これによって債務残高の企業価値に対する相対比率が変動──は、日本の産出量と物価に対して、大幅でしかも持続的な影響をもたらしてきたことが判明した。この結果は、負のファイナンシャル・アクセラレーター効果が、1990年代から2000年代初頭にわたる日本経済の長期停滞を説明する上で不可欠なメカニズムであったことを強く示している。同時に、1990年代後半以降の物価下落に対して、少なくとも部分的には、この要因が説明力を持つことも示唆している。
JEL分類番号:
E30、E44