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2005年 7月
肥後雅博*2
日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、執筆者までお寄せ下さい。
商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行情報サービス局までご相談ください。転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。
以下には(要旨)を掲載しています。全文は、こちら(wp05j12.pdf 861KB) から入手できます。
日本の地方財政システムにおいては、相対的に所得水準の低い地方圏の自治体に対して、多めの額の財源保障が行われることを通じて、実質的には地域間の所得再分配の機能が強く働いてきた。こうした財源保障と所得再分配の機能は、1990年代を通じて強化されてきたが、2000年度以降は、財政事情の悪化から地方交付税が大幅に減少しており、こうした機能は縮小に転じている。これを受けて地方自治体では、公共投資の大幅削減など歳出カットを進めているが、高齢化を受けた社会保障関連支出の増大や人件費の高止まりから、歳出削減は十分には進んでおらず、地方圏の自治体の財政状況は逼迫の度合いを強めている。
また、現在、地方自治体の税財政制度を包括的に見直す「三位一体改革」の動きが具体化している。この「三位一体改革」は、とりわけ地方交付税制度の改革および市町村合併の進捗を通じて、中長期的には、資源配分の効率性を改善させるとともに、地方圏に対する所得再分配の度合いを、さらに一定程度弱めるインパクトを持つと予想される。