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低金利環境下における均衡金利とイールドカーブ

2007年7月
一上 響*1
上野陽一*2

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

 長い目でみて名目短期金利が行き着く先と定義される均衡金利は、金融政策の先行きを議論する際などに、有用な概念となっている。もっとも、日本では、低金利環境が長く続いたことなどから、その推計が困難な状況にある。

 本稿では、Black(1995)により提案された潜在金利モデルに、均衡金利を新たなファクターとして加えて2ファクター・モデルに拡張し、イールドカーブの時系列データを用いて、市場が織り込んでいる均衡金利を推計した。また、モデルの推計に当たっては、将来の短期金利のほか、GDPやCPIといったマクロ変数に対するサーベイ調査を用いることで、データの制約を補うことに加えて、均衡金利とマクロ変数の関係を分析することを可能にした。

 主な結論は、以下の通り。(1)均衡金利を長期的な名目GDP成長率に対する期待値で近似することについて、統計的に否定的な結果は得られなかった。(2)日本銀行のコミットメントは、ゼロ金利政策の継続期間に対する予想とCPIのリンクを強めることを通じて、ゼロ金利下でも、CPIの水準次第で長期金利が動くように貢献した。(3)10年金利のターム・プレミアムは、2004年ごろから低下トレンドを辿っている。

  1. *1金融市場局(現調査統計局) E-mail: hibiki.ichiue@boj.or.jp
  2. *2金融市場局(現総務人事局)

日本銀行から

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