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流動性供給に関するグローバル・ゲーム分析

2011年8月
篠潤之介*1

全文掲載は、英語のみとなっております。

要旨

欧州周縁諸国のソブリン・リスクの高まりと一連の政策対応を受け、国際金融資本市場において、政策当局による流動性供給に対する注目が高まっている。本稿では、こうした流動性供給に関してのグローバル・ゲームを用いた理論モデルを提示する。既存モデルと比べ、本モデルは、(1)流動性供給主体(政策主体)をゲームのプレイヤーとして明示的に組み入れている、(2)政策主体は、流動性の需要主体(借り手)が一時的な流動性不足に陥っている(solvent but illiquid)のか、或いは資本不足の状態にある(insolvent)のか、事前には識別することができない、(3)流動性供給における貸出利率は内生的に決定される、(4)政策主体は、流動性需要主体に対する債権者の行動を観察した後に意思決定を行う、といった特徴を有する。分析の結果、(1)債権者の行動は、政策主体が流動性需要主体の状態(solvent but illiquidなのか、insolventなのか)を識別する際のシグナルとして機能する、(2)solvent but illiquidな流動性需要主体のみに流動性を供給することが、政策主体の最適な行動となる、ことが分かった。さらに、このときの貸出利率は、(3)厳密に正の値をとり、かつ、(4)「solvent but illiquidな流動性需要主体をデフォルトさせない」という制約下で最大の値をとる、すなわち、「条件付き懲罰的(conditionally punitive)」として特徴付けられることが分かった。

  1. *1日本銀行金融市場局<現調査統計局> E-mail : junnosuke.shino@boj.or.jp

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