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ゼロ金利下におけるタームプレミアムの推計:日米英の長期金利の分析

2013年5月8日
一上響*1
上野陽一*2

要旨

本稿では、アフィン期間構造モデルと潜在金利モデルを、日米英の2013年3月までのデータを用いて推計した。推計結果はモデルによって大きく異なり、これは、ゼロ金利制約を考慮していないアフィンモデルにおいて、推計バイアスが生じているためと考えられる。10年物金利のタームプレミアムの推計結果をみると、モデル間の差異が約2%ポイントにまで拡大するケースもみられる。また、米英では、この差異がここ数年拡大している。アフィンモデルには、短期金利の長期的水準を過大推計する強い傾向がみられるが、このことがタームプレミアムを過小推計する方向に寄与しているものと考えられる。

キーワード
アフィン期間構造モデル、潜在金利モデル、ゼロ金利制約、タームプレミアム、金融政策

本稿の執筆にあたり、日本銀行のスタッフから有益なコメントを頂き、とくに菊池健太郎氏からは詳細なコメントを頂いた。記して感謝の意を表したい。ただし、本稿の内容と意見は筆者ら個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行企画局 E-mail : hibiki.ichiue@boj.or.jp
  2. *2日本銀行企画局 E-mail : youichi.ueno@boj.or.jp

日本銀行から

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