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預金・貸出統計等の一部変更(案)について

2003年11月18日
日本銀行調査統計局

 日本銀行調査統計局では、これまで金融経済統計の整備・見直しを進めてきました。「マネーサプライ統計」では新しい金融商品の取り込みや広義流動性のコンポーネントの公表等を、「資金循環統計」では68SNAベースから93SNAベースへの切替えの機を捉えて大幅な見直しを実施したほか、「預金・貸出統計」に関しても項目の改廃を逐次進めてきました 1。また、各種統計の公表早期化を漸次進めており、例えば「マネーサプライ統計」は米国や欧州よりも早い公表を実現しています 2。このほか、ホームページにおけるデータ検索の容易化や毎日更新される「日本銀行関連指標および主要金融経済指標」の掲載、金融経済統計月報の拡充など統計ユーザーの利便性向上を企図した様々な改善を実施しました 3

 さらに03年入り後も、「マネーサプライ(M2+CD)増減と信用面の対応」、「マネタリーサーベイ」の大幅な見直しを実施したほか、今後04年末までの間に「企業短期経済観測調査」(短観、03年度中)や「企業向けサービス価格指数」(04年末)の見直しを計画しています 4。これらのなかでは、例えば金融関係では「企業短期経済観測調査」における金融機関に対する調査項目の拡充、「企業向けサービス価格指数」における類別「金融サービス」の調査対象の拡充なども予定ないし検討されています。

 このように日本銀行調査統計局では引続き統計の整備・見直しやユーザーの利便性向上に取り組んでいく所存ですが、同時にデータ提供者の負担軽減も併せて進める必要があると考えています。特に、相対的にニーズが乏しいものや、他の統計・資料である程度代替できるものについては、廃止も視野に入れた検討が必要です。また政府も、今後5年から10年を見込んだ統計行政の進むべき指針として対外公表した『統計行政の新たな展開方向』の中で改めて報告者負担の軽減の必要性を指摘しています 5

 今回、日本銀行調査統計局では、上記のような観点から以下の1.〜5.の取扱い変更を実施する方針です(詳細は別添参照)。

  1. 「貸出先別貸出金<四半期調査>」、「預金者別預金<半期調査>」の公表早期化と公表資料の一部変更
  2. 「預金・現金・貸出金」の時系列データの提供と「貸出先別貸出金<月次>」、「預金者別預金<月次>」の公表資料の一部変更等
  3. 「都道府県別貸出先別貸出金」の作成中止
  4. 「民間金融機関海外店における本邦居住者預金」の作成中止
  5. 「証券金融会社の主要資産・負債等」の作成中止

 今回の変更に関してご意見・ご要望等がありましたら本年12月18日(木)までに下記までお寄せ下さい。私どもでは、頂いたご意見・ご要望を踏まえて最終的な方針を確定し、年内を目途に改めて公表したいと考えております。なお、最終方針を公表する際には、皆様からのご意見等についても併せてご紹介させて頂く予定ですので、匿名をご希望の方はご意見をお寄せ頂く際にその旨をお書き添え下さい。

本件に関する照会先

日本銀行 調査統計局 経済統計課 金融統計グループ

  1. (1)郵送:〒103-8660 東京都中央区日本橋本石町2−1−1
  2. (2)FAX:03−3277−3013
  3. (3)電子メール:post.rsd5@boj.or.jp
  1. 詳細は『マネーサプライ統計の見直しについて』(日本銀行調査統計局、1999年4月16日)、『広義流動性のコンポーネントの公表等』(同、2000年6月6日)、『資金循環統計の見直し』(同、1999年6月18日)、『資金循環統計の参考計数拡充』(同、2001年12月27日)、『「非金融部門の資金調達内訳表」の公表等について』(同、2002年3月15日)、『金融統計の見直しについて』(同、2000年9月29日)、『預金関連統計等の見直しについて』(同、2001年5月25日)、『預金貸出金関係統計の業種分類の見直し等について』(同、2003年3月11日)をご参照下さい。
  2. 詳細は『金融統計の公表早期化』(同、2000年11月9日)をご参照下さい。
  3. 詳細は『金融経済統計のさらなる改善へ向けて — 日本銀行の基本的考え方と最近の取組み—』(日本銀行、2002年8月)をご参照下さい。
  4. 詳細は『「マネーサプライ(M2+CD)増減と信用面の対応」、「マネタリーサーベイ」統計の見直しについて』(日本銀行調査統計局、2003年5月15日)、『「企業短期経済観測調査」の見直し案について』(同、2000年11月)、『「企業短期経済観測調査」の見直しに関する最終案 — 昨秋の見直し案に対し頂戴したご意見とそれに対する回答』(同、2001年6月)、『企業向けサービス価格指数の見直し方針 — 次回基準改定に向けて、ご意見のお願い —』(同、2003年5月)をご参照下さい。
  5. 総務省が本年6月27日に公表した『統計行政の新たな展開方向』の中では「報告者負担の軽減方策」という1節が設けられ、『近年、調査内容が複雑、高度化し、記入負担が増加する傾向の中にあっては、……中略……報告者の理解確保と負担軽減の推進を図っていく必要がある。』と指摘されています。

別添

預金・貸出統計等の一部変更(案)

1.「貸出先別貸出金<四半期調査>」 注1、「預金者別預金<半期調査>」 注2の公表早期化と公表資料の一部変更

  • 「貸出先別貸出金<四半期調査>」、「預金者別預金<半期調査>」の国内銀行のデータの公表日を公表資料の簡素化などの事務合理化等を通じて、本年12月分(預金者別預金については来年3月分)より次のとおり1営業日早期化します。

貸出先別貸出金(6、12月):22日+14 13営業日 注3
貸出先別貸出金(3、9月分):翌々月の12 11営業日
預金者別預金(半期調査):24日+12 11営業日

  • 両統計の公表は、日本銀行ホームページ上で公表日の午前8時50分に、当該時点の調査結果および時系列形式による主要系列データの2種類で行います。ただし、これまで作成していた主要系列を取り纏めた資料につきましては、上記公表資料により完全に代替可能なため、ホームページ掲載・印刷物としての配布を本年12月分(預金者別預金については来年3月分)より取り止めます。
    両統計に関する既往の公表資料や解説等は原則として引続き日本銀行のホームページ上に掲載されます。
    なお、貸出/預金の総額や主要な内訳項目については、月次調査の「貸出先別貸出金」、「預金者別預金(末残)」、「預金者別預金(平残)」、「預金・現金・貸出金」でも公表されています。これらは公表のタイミングが「貸出先別貸出金(四半期調査)」や「預金者別預金(半期調査)」よりも早くなっていますので、ご活用下さい。
  • また、「貸出先別貸出金(四半期調査)」、「預金者別預金(半期調査)」では、国内銀行の内訳3業態(都市銀行、地方銀行、地方銀行II)の計数について本年12月分(預金者別預金については来年3月分)より作成を中止します 注4。これは経営統合や相次ぐ経営破綻などの影響で時系列データが不連続となり、統計としての有用性が失われたと考えられるためです。なお、両統計の内訳3業態に関する既往の公表資料や解説等は原則として引続き日本銀行のホームページ上に掲載されます。
  •  注1 具体的には「貸出先別貸出金(四半期調査<国内銀行>)」(以上四半期公表資料 PDFファイル)、「同(業種別、設備資金新規貸出)」(以上、四半期公表資料 エクセルファイル)、「同(業種別<主要>)」、「同(企業規模別)」、「同(設備資金新規貸出<主要>)」、「個人向け貸出金(住宅資金、消費財・サービス購入資金)」(以上、時系列データ テキストファイル)
  •  注2 具体的には「預金者別預金(半期調査<国内銀行>)」(以上半期公表資料 PDFファイル)、「同(詳細預金者別)」、「同(金額階層別)」(以上、半期公表資料 エクセルファイル)、「同(半期調査)(末残)」(以上、時系列データ テキストファイル)
  •  注3 ただし、「貸出先別貸出金(業種別、設備資金新規貸出)」は、当該公表日の翌営業日に公表(3、9月分も同じ)
  •  注4 具体的には、貸出先別貸出金については「貸出先別貸出金(業種別、設備資金新規貸出)」(以上、四半期公表資料 エクセルファイル)、「同(業種別<主要>)」、「同(企業規模別)」、「同(設備資金新規貸出<主要>)」、「個人向け貸出金(住宅資金、消費財・サービス購入資金)」(以上、時系列データ テキストファイル)。預金者別預金については「同(詳細預金者別)」、「預金者別預金(金額階層別)」(以上、半期公表資料 エクセルファイル)、「同(半期調査)(末残)」(以上、時系列データ テキストファイル)

2.「預金・現金・貸出金」の時系列データの提供と「貸出先別貸出金<月次>」、「預金者別預金<月次>」の公表資料の一部変更等

  • 「預金・現金・貸出金」(国内銀行、信用金庫、外国銀行在日支店)のデータ公表形式を、来年1月分より、現行の調査時点毎の表形式からユーザーにとって利便性の高い時系列データ形式へ変更します。
  • 一方、「預金・現金・貸出金」を組み替えて作成される「貸出先別貸出金<月次>」、「預金者別預金<月次>」では、国内銀行の内訳3業態(都市銀行、地方銀行、地方銀行II)の計数について、来年1月分より作成を中止します。これは、経営統合や相次ぐ経営破綻等の影響で時系列データが不連続となり、統計としての有用性が失われたと考えられるためです。なお、両統計の内訳3業態に関する既往の公表資料や解説等は原則として引続き日本銀行のホームページ上に掲載されます。
  • また、同様な事由から来年1月分より「都道府県別預金・現金・貸出金」の参考計数である「地域別業態別預金/貸出金」の作成を中止します。なお本統計に関する既往の公表資料や解説等は原則として引続き日本銀行のホームページ上に掲載されます。

3.「都道府県別貸出先別貸出金」の作成中止

  • 「都道府県別貸出先別貸出金」(年度)の作成・公表を本年5月公表分を最後に中止します。これは、(1) 報告者負担が極めて重いこと、(2) ニーズが相対的に乏しいこと、(3) 他に代替的な統計(「都道府県別預金・現金・貸出金」、「貸出先別貸出金」、「県民経済計算年報」)が存在すること、等によるものです。

  • 「都道府県別預金・現金・貸出金」、「貸出先別貸出金」は、これまでどおり公表されます。また「都道府県別貸出先別貸出金」に関する既往の公表資料や解説等は原則として引続き日本銀行のホームページ上に掲載されます。

4.「民間金融機関海外店における本邦居住者預金」の作成中止

  • 「民間金融機関海外店における本邦居住者預金」の作成・公表を来年3月分より中止します。これは、(1) 報告者負担が重いこと、(2) ニーズが相対的に乏しいこと、(3) 他に代替的な統計(「国際収支統計」、「対外資産負債残高」、「BIS国際資金取引統計」)が存在すること、等によるものです。
  • 「国際収支統計」、「対外資産負債残高」、「BIS国際資金取引統計」は、これまでどおり公表されます。また「民間金融機関海外店における本邦居住者預金」に関する既往の公表資料や解説等は原則として引続き日本銀行のホームページ上に掲載されます。

5.「証券金融会社の主要資産・負債等」の作成中止

  • 「証券金融会社の主要資産・負債等」の作成・公表を来年1月分より中止します。これは、(1) 報告者負担が重いこと、(2) ニーズが相対的に乏しいこと、等によるものです。

以上