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「金融経済統計月報」の見直しと「日本銀行統計」の発刊についての最終方針

2004年11月 5日
日本銀行調査統計局

はじめに

○ 日本銀行では、本年7月に「『金融経済統計月報』の見直しと『日本銀行統計季報』の発刊について」を公表し、同案についてユーザーの皆様から広くご意見(パブリックコメント)を募集しました。その結果、日本銀行のホームページでは2,288回にもおよぶアクセスを頂いたほか、多くの方から貴重なコメントを頂戴いたしました。

○ 以下では、寄せられたご意見を踏まえた、今回の日本銀行作成統計書の見直しに関する最終方針についてご説明します。日本銀行調査統計局では、今後、以下でお示しする最終方針に沿ったかたちで作業を進め、2005年上期から、新ベースの「金融経済統計月報」および「日本銀行統計」を発刊したいと考えています。ご多忙中にもかかわらずご意見をお寄せ頂いた皆様には、厚くお礼申し上げます。新ベースの統計書への切替えタイミングにつきましては、決定次第、改めて公表する予定です。

——— ご意見を頂戴した方々のご芳名は、別紙1に一括して掲載させていただきました。

見直し全体に対するコメント

○ 今般の当局の見直し案につきましては、ご意見を頂いた方々から幅広いご支持をいただきました。具体的には、以下のようなご意見が書面で寄せられました(敬称略<以下同様>)。

▽ 「月報」と「季報」に分けるという方針は、ユーザーのニーズに適ったものであり、是非進めていただきたい。日銀ホームページに収録されている統計データは最近かなり充実してきており、この点は、ユーザーの間でも高い評価がなされているが、ハンディな統計書のニーズは依然として存在するので、両者の機能がうまく発揮されるような今回の改定は時宜にかなったものと考える(J.P.モルガン証券・菅野雅明)。

▽ 見直しの方向性につきましては、基本的に賛成です。小生も仕事の上で月報を参照させていただく機会が多々ありましたが、従来のものがかなり分厚かったため、出張等の際には携帯を見合わせることも多かったほか、オフィスで使用する場合にも、必要なデータを探すのに手間取ることがままありました。情報を絞ってハンディなものにすることはユーザーである我々にとって非常に有益です(金融機関系シンクタンク・宮嶋)。

▽ 見直しの基本方針に賛成(お茶の水女子大学・篠塚英子)。

見直しに関する具体的な論点

1.「年報」に対するニーズもしくは四半期毎の発刊は不要とのご意見

○ 今回頂いたご意見の中で、統計書の編集方針に関わるものとして、「長期時系列データを見たいというユーザーニーズに応えるための新統計書」に対し、複数の方々から発行頻度に対するご意見が寄せられました。具体的に寄せられたご意見は以下の通りです。

▽ 年報を復活してほしい。季報でもとくに反対はしないが、少なくとも年1回、年報類似の厚いものを発刊してほしい。図書館などでの保管ニーズを考えても、年1冊保管すればよいというのは非常にありがたい。(青山学院大学・美添泰人)。

▽ 必要性からいうと季報である必要はなく半期あるいは1年でよいかもしれない(お茶の水女子大学・篠塚英子)。

▽ 長期時系列でデータを載せるということであれば、年報でも十分かもしれない(明治学院大学・竹内啓)。

○ こうしたご意見を踏まえ、日本銀行では当初「日本銀行統計季報」として発刊する予定としていた統計書の編集方針を若干変更することとしました。すなわち、当初原案の「日本銀行統計季報」は、毎回ほぼ同一掲載内容とその間の資金循環・BIS統計のクロスセクション・データを掲載する方針でしたが、「年報」に対する根強いニーズを踏まえ、新たに発行する統計書については、「秋号」に「年報」としての機能を併せ持たせることといたしました(別紙2 <PDFファイル、10KB> 参照)。具体的には、原案では非掲載としていたクロスセクション・データ1については、「年報」に対するニーズにあわせ「秋号」に年報としての機能を持たせるべく(1)「秋号」に当初掲載を割愛する方針だったクロスセクション・データの年度末計数を掲載、(2)時系列データのうち年度統計については「秋号」にのみ掲載することといたしました。

  1. 資金循環とBIS統計のみ重要度に鑑み例外として掲載。

○ また、統計書の名称も発刊頻度に依存しない「日本銀行統計」に変更しました。従って、「日本銀行統計」は、5月に「春号」、8月に「夏号」、11月に「年度報・秋号」、2月に「冬号」を発刊します。

——— 初刊号については、例外的に「春号」もしくは「夏号」を「2003年度報」として発行する予定です。

2.「日本銀行統計」の掲載内容に関してのご要望

(1)金融政策の変遷について

○ 金融政策の変遷に関する情報の掲載を求める声が複数聞かれましたので、「統計」ではありませんが、(参考)として、「金融市場調節方針の推移」を掲載することとします。これは現状の「金融経済統計月報」に掲載している「調節方針」の掲載期間を長期化させて掲載するものです。具体的に寄せられたご意見は以下の通りです。

▽ 常日頃から日銀の金融政策決定会合の変遷を長期時系列でおうことがなかなか難しいということを感じております。その他の金融経済のデータとは性質が若干異なりますが、政策決定会合で目標当座預金残高がどう推移したか、国債買入額がどう推移したか、また銀行株の買取はいつからか、資産担保証券はいつからかといったものを調べようとすると、HPにある金融政策のところを一回一回の会合を見なければわからず(月報の調節方針のところに数回分はありますが)不便を感じております。今回長期系列の季報を新たにだされるということであれば、このあたりの政策の変遷が一目でわかるようなページを用意していただければと思います(ニッセイ基礎研究所・矢嶋康次)。

▽ (季報の)巻末に、日銀の主要な政策変更をまとめた年表(過去10年程度)をコンパクトに掲載していただけると、より利便性が増すので、お願いしたい(J.P.モルガン証券・菅野雅明)。

(2)資金循環統計について

○ 資金循環統計の時系列データに対するご要望が寄せられたことから、「日本銀行統計」に資金循環統計の主要系列について時系列データ形式で掲載することといたします。あいにく資源制約の関係で、ご要望通りに単独の冊子とすることはできませんでした。

▽ 資金循環統計については、時系列形式の冊子を別途発行していただきたい。短観の冊子と同様の位置づけが必要と考える(J.P.モルガン証券・菅野雅明)。

(3)預金者別預金の掲載項目について

○ 預金者別預金の掲載項目に対する以下のご要望については、ご要望通り対応することといたしました。

▽ 預金者別預金では、要求払い・定期性預金別に一般法人、個人、公金預金の内訳が記されているが、要求払い+定期性預金の合計欄にも、一般預金、個人、公金預金の内訳を記していただきたい(J.P.モルガン証券・菅野雅明)。

(4)消費者金融に関する統計について

○ 消費者金融に関する統計の掲載を希望する声が聞かれましたが、消費者金融業者の貸出残高のような計数は、日本銀行では保有していません。一方で、銀行や信用金庫が取扱っている住宅資金や消費財・サービス購入資金の残高については、「個人向け貸出金」として現状の「金融経済統計月報」に掲載しているものを引き続き「日本銀行統計」に掲載いたしますので、こちらをご利用ください。

▽ 特別掲載で消費者金融についてもほしい(お茶の水女子大学・篠塚英子)。

(5)日銀の世論調査について

○ また、「金融経済統計月報」に、「日銀の公表している世論調査を掲載して欲しい」とのご要望が寄せられました。日本銀行が実施している世論調査は、「生活意識に関するアンケート調査」という四半期に一度行っているもので、統計として位置付けられているものではありませんが、ご要望にお応えして、「金融市場調節方針の推移」同様、(参考)として「日本銀行統計」に掲載することとしました。

▽ 日銀が公表している世論調査も時系列比較な可能なものについてはのせてほしい(お茶の水女子大学・篠塚英子)。

(6)統計解説について

○ さらに、統計解説の充実を望む声が聞かれましたので、ご要望にお応えしていく方針です。

▽ 統計書の解説は、是非、充実させて欲しい。この点は、HPではなく統計書の中に掲載しておくことが望ましい(青山学院大学・美添泰人)。

▽ 定義変更や集計方法変更による時系列データの注記にもっと工夫が必要(お茶の水女子大学・篠塚英子)。

(7)データ始期およびURLの表示について

○ また、「季報」への掲載情報としてデータ始期およびデータのURLの表示を希望する声が聞かれましたので、「日本銀行統計」の目次に両者を掲載すると同時にこの目次をホームページに掲載し、リンクをご利用いただけるようにいたします。

▽ 「季報」の主な利用法のひとつは、研究者等が、研究の下調べとして、どんなデータがあるか、そのデータは過去どのように推移してきたか、といった点をおおまかに確認することと思われる。いわばデータを正式にホームページ等からダウンロードする前の下準備である。従って、(1)データ始期の表示(過去のデータがどこまで遡れるのかを紙ベースで事前に確認できると、ホームページからデータを取るかどうかを判断しやすい)、(2)データのURLの表示(いざデータを取得しようという時にURLが表示されていると有用)が望ましい(東京大学・佐藤朋彦)。

(8)その他のご意見

○ また、「日本銀行統計季報」に対して寄せられた以下のご意見につきましては、当該統計が「日本銀行統計」の掲載対象とはなっていないことから、対応は見送らせていただきます。

▽ 「金融機関の資産負債」では、中小企業金融機関の内訳が細かすぎるのでは。例えば、単体(信金中金、商工中金、労働連合会など)のバランスシートを掲載する必要があるのか(J.P.モルガン証券・菅野雅明)。

▽ 「外国為替の平衡操作」については、売り・買い介入別に月単位の時系列表を掲載していただきたい(J.P.モルガン証券・菅野雅明)。

▽ 現在の「主要国際統計」に、主要国の個人金融資産の運用割合を入れてほしい(お茶の水女子大学・篠塚英子)。

3.「金融経済統計月報」に対するご要望

○ 「金融経済統計月報」に対しては、具体的な項目を追加掲載してほしいというリクエストが多数寄せられました。具体的なご要望は以下の通りです。

▽ 国債流通利回りに超長期(20年ものなど)を追加できないか。あるいは、イールドカーブの形状がわかるような残存期間別利回りは掲載できないか。

▽ 金融に関する加工統計になるが、インプライド・フォーワードレートも掲載すれば、利便性が高まるのではないか。

▽ 為替相場「フォワード・レート」、「オプション・ボラティリティ」および「英ポンド」、「韓国ウォン」、「中国人民元」の各レート。

▽ 為替相場の項目に、円、ユーロだけでなく、主要国の通貨およびアジアの通貨もほしい。

▽ マネーサプライ平残は増減率だけの表示であるが最下段でよいから最新値の実数levelを表示してほしい。

▽ 日銀券発行が重要な任務であるから、発行量の枚数と流通高の両方がほしい。毎月である必要はなく、1時点の発行でよい。

▽ 日銀が作成している統計、短観の一部から時系列的に扱えるものをいくつか入れる。特に「過剰ー不足」のギャップを示す指標(在庫、投資、雇用、資金繰り、貸し出し態度)など。

▽ 国内銀行主要勘定の有価証券の内訳に国債(外国証券)および生保の運用資産計を追加。

▽ 国際収支「輸出」と「輸入」の追加。

▽ 海外主要経済指標(1)「イギリスの10年物国債利回り」。

▽ 掲載内容としては、中国関係のデータを載せて欲しい。日本経済に与える影響は、今や欧州よりもずっと大きくなっていると思う。

▽ 人口データなども載せてもらえるといいとおもう。国際的に比較する際に、人口あたりで比較することも良くあるので、年ベースで十分であるが、追加掲載してもらえるとありがたい。

○ 一方で、「月報」に掲載する情報を絞り込んで欲しいというリクエストも多く聞かれました。具体的なご意見は以下の通りです。

▽ 統計書を作成するサイドでは、情報を絞り込むと言っても様々なユーザーがいる中で難しいとは思いますが、多くのユーザーが期待しているのはそうした中で、効果的に情報の絞り込みを行い、ハンディかつ有用性の高い統計書を作ることと思います。とくに新たに追加する情報については、利用者にとっての必要性の度合いとそれを必要とするユーザーの数の多寡を改めてご検討いただければと思います(金融機関系シンクタンク・宮嶋)。

▽ 月報、季報ともあまり厚くし過ぎない方が良い。色々なユーザーから多様な要望が寄せられることは分からなくもないが、それらを取り込み過ぎないようにして欲しい(東京大学・廣松毅)。

○ このように、情報量を絞り込んで欲しいというご要望があることを踏まえつつ、データの加工計算の要否等、掲載に要する負担等を勘案の上、今回の見直しでは別紙3 <PDFファイル、10KB> の通り(追加項目の青字<アンダーライン>部分)ご要望に応えることといたしました。必ずしもすべての皆様のご要望にはお応えできておりませんが、掲載ページに限りがあるためある程度取捨選択せざるを得ないことをご理解願います。

終わりに

○ 日本銀行では、ユーザーニーズに沿った統計情報を提供すべく、今後とも不断の努力を続けていく所存です。今回の統計書の見直しについては、ここにお示しした方針で対応いたしますが、ご意見、ご要望がございましたら随時受付けいたしますので、調査統計局・統計企画担当までお寄せください。

以上

(別紙1)

(ご意見・ご提案を頂戴した方々、敬称略、五十音順)

  • 後勝之(格付投資情報センター)
  • 大森信太郎(東京都民銀行)
  • 奥村洋彦(学習院大学)
  • 菅野雅明(J.P.モルガン証券)
  • 佐藤朋彦(東京大学)
  • 篠塚英子(お茶の水女子大学)
  • 宅森昭吉(三井住友アセットマネジメント)
  • 竹内啓(明治学院大学)
  • 根本直子(スタンダード・アンド・プアーズ)
  • 廣松毅(東京大学)
  • 松本和幸(立教大学)
  • 水上慎士(早稲田大学)
  • 宮嶋(金融機関系シンクタンク)
  • 矢嶋康次(ニッセイ基礎研究所)
  • 美添泰人(青山学院大学)
  • 匿名希望1名

以上