エッセイ / "おかね"を語る
お金となかよし、おっハッピー
小島よしお(芸人)
そんなの関係ねぇと言いながら気がつくとお金の心配ばかりしている。
「40代のうちから早めにローンを返して、60代から安心して暮らす」と思ったり、「今しか過ごせない時間を大切にして、ローンはもう少し後回しでもいいか」とも思う。しかし何歳まで生きれるかなんて保証はないし、仕事が10年後もある確証もない(裸の芸風だとなおさらだ)。そんな風に考えが右往左往してしまう自分があまり好きではない。
本当は自由に好きなことだけ考えて豪快に過ごしたい。しかしそういう訳にはいかない。自分一人だけならまだしも妻がいてまだまだオムツが必要な子どももいる。
思えばお金の心配をしてしまうのは今に始まったことではない。ボウリング場のアルバイトをしている頃も、使用済みスコアシートの裏側にその月の予定収入とその使い道の振り分けを何度も何度も繰り返し書いては頭を抱えていた。
絵・江口修平
ということはこれからもきっとそうだろう。これを機会に自分側ではなくお金側からも考えてみよう。お金との付き合い方を上手にできれば、不安も少しは軽くなるかもしれないので。
ではお金が喜ぶこととはなんだろう。やはり役に立つものに使われることだろう。着られない服、読まれない本、使われない物ほど悲しいものはない。そもそもお金は価値を交換する便利グッズとして誕生している。熟成させて美味しくなるわけでもないし、身にまとっても体を温めてはくれない。
きっとお金はいろんな所へ行きたいのだ。誰かの役に立ちたくてウズウズしてるに違いない。お金を使わないのはトーク番組に呼ばれたのに一言も喋らずに帰るあの日の私と同じではないのか。
使うと言えば買い物や食事や旅行などだ。投資、募金もそうだろう。自分と引き換えに素敵な体験をして笑顔になっている持ち主をみてお金もほっこりしているかもしれない。ただ同じ使うにしても、その力で人を支配したり優越感に浸ったりしてもお金は「そうじゃないもっとハッピーに使ってくれ」と泣いているかもしれない。ギャンブルで身を滅ぼすような使い方も悲しむだろう。
お金が喜んでくれる方法を実践すればきっともっと仲良くなれる。そうすれば年中心配するようなことにならないのではないか。
そんなの関係ねぇと叫びながらも、お金との関係性はしっかりと築きたいものだ。はいおっぱっぴー。
