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決済と決済システムを理解するためのキーポイント《基礎編》 テーマ4.決済と信用

この章のキーワード:
「時間差」、「置換(ちかん)費用リスク」、「元本リスク」
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取引の段階で生ずる信用と置換費用リスク

私たちは生活していくために、ほかの人々を相手に物やサービスを売り買いします。売り買いのプロセスは「取引」(売り買いの約束をすること)と「決済」(物やおかねを相手に渡すこと)の2段階から成り立っています。このうち「決済」は、さらに「物やサービスの引渡し」と「おかねの引渡し」の2つに分けられます。

「取引」と「決済」との間に時間差がある場合、または、「物やサービスの引渡し」と「おかねの引渡し」との間に時間差がある時、そこには「信用」というものが関係してきます。

売り買いの約束と決済の間に時間差があるということは、互いに「相手は約束を守るはず」と信用しているということです。

信用した相手がおかねや品物を渡す約束を破ったために、代わりのおかねや品物を調達しなければならなくなった時、そのためにかかる追加的な費用のことを「置換費用」あるいは「リプレースメント・コスト」と言います。取引と決済との間に時間差がある場合、このコストを払わされるリスクの大きさだけ、取引相手を信用したことになります。

例えば、「もともと100円で買う予定だった品物を、相手が引渡してくれないので別の人から調達したら、120円かかった」という場合、置換費用は、20円(=120円-100円)になります。

決済の段階で生ずる信用と元本リスク

「決済」の段階で、自分は約束どおり品物を引き渡したのに、おかねを貰えないとか、逆に「おかねを払ったのに品物やサービスが受け取れない」などの「取りはぐれ」が生じて「渡し損」を被る可能性があります。

相手から代金や品物を受け取るのを後回しにして、先に自分が品物を渡した場合、自分は「相手が約束どおり代金や品物をよこすはずであり、自分は損をしないだろう」という信用を与えていることになります。この信用の大きさも、相手が代金や品物をよこさない場合に自分が損をする可能性のある金額、すなわち代金の金額そのもので表わすことができます。代金をまるまる損してしまう可能性のことを「元本リスク」とか「プリンシパル・リスク」と言います。

相手が約束を破って代金を支払わない場合、自分が既に相手に品物を渡してしまっていると、取引金額をまるまる損をすることになってしまいます。

決済と金融

決済と金融(おかねを融通すること、おかねを貸借すること)とは、たいへん密接な関係にあります。人々がなぜおかねを借りるかというと、おかねを誰かに渡さなければならない、つまり決済しなければならないからです。

銀行がおかねを貸すことを与信(よしん。信用供与すること)と呼びます。返済することを信じてあげる、あるいは、相手を信用して元本と利息の支払(返済)を待ってあげる、という意味が込められています。