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ホーム > 統計 > 統計の概要および公表予定 > 統計に関する解説 > 「国際収支関連統計(IMF国際収支マニュアル第6版ベース)」の解説
2022年3月
日本銀行国際局
このページには国際収支関連統計の作成に関する情報を掲載しています。項目別の詳細は国際収支関連統計:項目別の計上方法 [PDF 952KB]をご覧ください。統計の種類や公表に関する情報は「国際収支関連統計」ページをご覧ください。
国際収支関連統計に関する情報は以下のページにも掲載しています。
国際収支関連統計は、わが国と外国の経済的な関係を表す統計です。国際収支統計、対外資産負債残高およびこれらを相手国別等に細分化した統計で構成されています。
国際収支統計の構成項目の概要は以下のとおりです。
対外資産負債残高の構成項目は、国際収支統計の金融収支と同様です。
公表項目の詳細は「国際収支関連統計」ページの公表項目の構成をご覧ください。各項目の計上範囲と作成方法は5.項目別計上方法をご覧ください。
わが国の国際収支関連統計は、外国為替及び外国貿易法(以下、外為法)の規定に基づき、財務大臣から委任を受けて、日本銀行が作成しています。詳しくは国際収支関連統計のFAQをご覧ください。
わが国の国際収支関連統計は、国際通貨基金(IMF)が2008年に公表した「国際収支マニュアル第6版」(以下、「国際収支マニュアル」)に準拠して作成しています。
国際収支統計においては、複式計上の原理に基づいて各取引を貸方、借方それぞれに同額計上します。例えば、財貨を現金と引換えに売却した場合、輸出を貸方に、現金(金融資産)の増加を借方に計上します。原則として、貸方の項目の合計と借方の項目の合計が一致します。
貸方 | 借方 | |
---|---|---|
貿易収支 | 輸出 | 輸入 |
サービス収支 | 輸出(受取) | 輸入(支払) |
第一次所得収支 | 受取 | 支払 |
第二次所得収支 | 受取 | 支払 |
資本移転等収支(資本移転) | 受取 | 支払 |
資本移転等収支(非金融非生産資産) | 処分 | 取得 |
金融収支(資産) | 減少 | 増加 |
金融収支(負債) | 増加 | 減少 |
取引は原則として当該取引が発生した時点で国際収支統計に計上します。但し、取引捕捉の関係上、資金が決済された時点で計上するものがあります。
具体的にみると、わが国の税関を通る財貨の取引は通関時点で計上し、証券の売買取引は一般に約定時点で計上しています。これに対し、サービスや所得の取引は、取引捕捉の関係上、一般に資金が受払された時点で計上しています。
取引は原則として取引価格で評価します。但し、わが国の税関を通る財貨の取引はFOB建てで計上します。
残高は原則として市場価格で評価します。直接投資残高については、子会社の簿価で評価しますが、参考として時価推計値も公表します。その他投資の貸借等は名目価格(未収未払利子は含まないベース)で評価します。
わが国の国際収支関連統計は円建てで公表します。外貨建ての取引や残高を円建てに換算する場合に使用する換算レートは、基礎資料によって異なります。
国際収支関連統計には、わが国の居住者と非居住者の間の取引や投資残高を計上します。
居住性の概念は、国籍や法的な判断基準ではなく、取引当事者の「主たる経済利益の中心」を基礎としています。すなわち、国際収支マニュアルでは、ある国に拠点を持ち、長期間にわたって相当規模の経済活動を行う者をその国の居住者として扱うこととしており、基本的には「1年以上所在しまたは所在する意思があること」を運用上の基準としています。ある国の法人が外国で長期間にわたって相当規模の経済活動を行っている場合は、その経済活動を準法人が行っていると捉え、その準法人を外国の居住者として扱います。大使館や軍事基地は政府の飛地領土として扱います。
わが国の国際収支関連統計は、主として外為法に基づく諸報告を基礎資料として作成しています。居住者、非居住者の定義については、外為法に規定があり、さらに、大蔵省通達(「外国為替法令の解釈及び運用について」)に居住性の判定基準についての規定があります(下の表をご覧ください)。
外為法における定義 | 通達における居住性の判定基準(例) | |
---|---|---|
居住者 |
|
|
非居住者 |
|
|
経常収支の主要項目については、米国商務省センサス局法X-12-ARIMAにより季節調整を行った季節調整済計数および季節要素も公表します。詳しくは、季節調整替えの際に「国際収支関連統計」ページに掲載する見直し等のお知らせをご覧ください。
わが国の国際収支関連統計の基礎資料は、主として外為法に基づく報告書です。そのほか、他機関が作成するデータも利用しています。
ここでは基礎資料の概要を説明しています。各項目の作成方法は5.項目別計上方法をご覧ください。
国際収支関連統計の作成には、外為法に基づく報告書のうち、主に支払等報告、資本取引の報告、外国為替業務に関する事項の報告、および統計作成のための資料を利用しています。
具体的な報告・提出の要件や報告書の様式については、「外国為替の取引等の報告に関する省令」(以下、報告省令)で規定しています(以下、報告書の番号は、報告省令の別紙様式を指します)。このページでは、統計作成の観点から報告内容の概要を説明しています。報告手続きについては「外為法に関する手続き」のページをご覧ください。
居住者が非居住者との間で行った決済について、1回の受払が3千万円相当額を超える場合に報告を受けます。取引の内容について国際収支項目番号 [PDF 659KB] で報告を受け、統計の該当する項目に計上します。わが国の税関を通る貨物の輸出入取引に直接伴う資金の受払は、支払等報告の対象外です。報告書の様式については、「支払又は支払の受領に関する報告書」の報告概要をご覧ください。
証券の取得・譲渡等の資本取引を行った者から報告を受けます。統計作成に利用する主な報告書は以下のとおりです。
特別国際金融取引勘定を持つ金融機関のほか、一定以上の規模で取引を行っている居住者に報告を求めています。主な報告書は以下のとおりです。
証券売買等の取引については、財務大臣が指定する主要金融機関からは日次で、他の居住者からは月次で報告を受けます(様式14)。証券会社が非居住者との取引を媒介・取次する場合は、証券会社から報告を受けます。証券投資残高については、投資家とカストディアンから年次で報告を受けます(様式36~38)。取引、残高とも、証券の種類ごとに集計して報告を受けます。
銀行や保険会社から貸付の実行・回収や貸付債権の売買について月次で報告を受けます。
銀行から資産および負債の月末残高について報告を受けます(様式26)。四半期末の残高については、相手国別かつ通貨別の報告も受けます(様式33)。
取引については月次で、残高については四半期毎に報告を受けます。
投資収益や金融・証券手数料等の受払について月次で報告を受けます(様式40)。また、割引債の保有状況について年次で報告を受けます(様式39)。
国際収支統計や対外資産負債残高を作成するための資料として、一定の要件を満たす居住者に提出を求めています。報告省令で様式を規定するもののほか、財務大臣が関係行政機関や外為法の適用を受ける取引を行った者等に対し、別途の通知により報告内容を指定して資料の提出を求めるもの(「別途通知」)もあります。主な資料は以下のとおりです。
非居住者に対する預金の月末残高が1億円相当額を超える場合に月次で報告を受けます。
国際輸送事業を行う航空会社や船会社から、運賃収入や運航経費等について月次で報告を受けます。
貨物の輸出入または外国間の貨物輸送に係る保険を扱う損害保険会社から、保険料、保険金および事業費率について月次で報告を受けます。
非居住者との間に議決権比率10%以上の出資関係がある居住者から、期末の投資残高や期中の内部留保額について年次で報告を受けます。外国子会社への投資(様式51)は居住者(投資家)の出資残高が10億円以上の場合に、外国親会社からの投資(様式52)は居住者(子会社)の資本金が10億円以上の場合に、提出が必要となります。
輸出入を行う会社から、貿易信用の取引や残高について四半期毎に報告を受けます。
銀行や資金移動業者から、支払等報告書では捕捉できない小口の家族間送金等について、月次で報告を受けます。
国際収支関連統計の作成には、他機関が作成するデータも利用しています。例えば、貿易収支には「貿易統計」(財務省)、旅行には「出入国管理統計」(法務省)や「訪日外国人消費動向調査」(観光庁)を利用しています。
各項目に計上する取引の内容と基礎資料は下表のとおりです(報告書の番号は、報告省令別紙様式番号です)。詳しくは、国際収支関連統計:項目別の計上方法 [PDF 952KB]をご覧ください。
主な取引の内容 | 主な基礎資料 | |
---|---|---|
貿易収支 | 財貨の輸出入や仲介貿易 |
|
サービス収支 | 旅行、輸送、知的財産権等使用料、その他業務に関連したサービス |
|
第一次所得収支 | 利益配当金や債券利子の受払 |
|
第二次所得収支 | 保険料・保険金や損害賠償金の受払、国際機関への拠出、家族への生活費送金 |
|
資本移転等収支 | 債務免除や相続に伴う資産の移転 |
|
主な取引の内容 | 主な基礎資料 | |
---|---|---|
直接投資 | 企業買収や子会社設立のための投資の実行/回収(議決権比率10%以上の出資関係がある場合) |
|
証券投資 | 株式の売買、債券の売買や発行/償還 |
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金融派生商品 | 先物取引の売買差損益や通貨スワップの元本交換差額の受払 |
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その他投資 | 貸付/借入、預金の受払、証券の約定と決済の期ずれによる未収/未払金の発生消滅 |
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外貨準備 | 為替介入による保有外貨の増減、利子収入による増加 |
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E-mail : boj-bop@boj.or.jp
Tel : 03-3277-1381